社員旅行は経費として落とせる?

税理士法人小林・丸&パートナーズのスタッフ河西です。社員旅行は経費とすることが出来るのでしょうか。社員の慰労や親睦を深めるために、1つの方法として社員旅行があります。以前までは、コロナ禍で需要が減っていた社員旅行ですが、コロナも落ち着き、徐々に増えてくるかと思われます。今回はそんな社員旅行にフォーカスをあててみようと思います。

社員旅行とは?

社員旅行は従業員の慰労や親睦を深めるために行う旅行のことです。社員同士のコミュニケーションを深め、普段の日常から離れた環境で、普段は話さないような人とも話したりと、社員間の関係性やモチベーションを強化するメリットがあります。

国税庁によると、従業員レクリエーション旅行と、研修旅行に分けられます。

従業員レクリエーション旅行はいわゆる社員旅行や慰安旅行といったもので、研修旅行は従業員のスキルアップなどをメインにした旅行となっています。

社員旅行は経費に出来る?

社員旅行は一定の条件のもとに経費にすることが出来ます。まずは、従業員レクリエーション旅行をメインに条件を見ていきます。

条件1 旅行の期間が4泊5日以内であること

海外旅行の場合は、外国での滞在日数が4泊5日以内であるため、たとえば機内泊の場合などは機内は泊数に含まず現地での滞在日数のみとなります。

条件2 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること

工場や支店ごとに行う場合は、それぞれの職場ごとに50%以上参加することが必要です。
ただし、No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行|国税庁 (nta.go.jp)によると、旅行内容を総合的に勘案して、少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められるものについては、旅行に参加した従業員の給与としなくてもよいことになっているため、たとえば全員参加出来る形で、社員旅行を毎年企画しているが、今回は従業員都合で参加割合が50%未満になった場合などは課税とならない場合があります。

条件3 社会通念上一般的であること

社会通念上一般的であることが必要で、一般的に行われていると認められている費用がどのくらいになるかは悩みどころです。目安としては、ひとりあたり10万円という金額が一般的です。国税庁の事例にも、10万円までは使用者負担として、課税になっていないため、目安の金額にはなるかと思われます。

不参加者に金銭を支給する場合は全員が給与となる

自己の都合で参加しなかったものに金銭を支給する場合は、参加者と不参加者の両方に給与課税されてしまいます。ただし、旅行代金を給与から天引きして積立をしていた場合など、積立金を返還する場合は給与課税されません。

具体例

旅行期間3泊4日3泊4日4泊5日5泊6日
費用及び負担状況旅行費用15万円
(うち使用者負担7万円)
旅行費用15万円
(うち使用者負担7万円)
旅行費用25万円
(うち使用者負担10万円)
旅行費用30万円
(うち使用者負担15万円)
参加割合100%38%100%50%
経費処理×
事由旅行期間・参加割合の要件および少額不追求の趣旨のいずれも満たすと認められることから原則として課税しなくてもよい旅行期間および少額不追求の趣旨は満たすと認められる。従業員の参加人数は50%未満であるが、社会通念上、一般に行われているとされることから課税しなくてもよい旅行期間・参加割合の要件および少額不追求の趣旨のいずれも満たすと認められることから原則として課税しなくてもよい旅行期間が5泊6日以上のものについては、その旅行は、社会通念上一般に行われている旅行とは認められないことから課税されます
No.2603 従業員レクリエーション旅行や研修旅行|国税庁 (nta.go.jp)
従業員の参加割合が50%未満である従業員レクリエーション旅行|国税庁 (nta.go.jp)

下記に該当するものは従業員レクリエーション旅行とならないため社員旅行の経費とは出来ない

役員だけで行う旅行

役員だけで行う旅行の場合、私的な旅行と区別がつかないため、原則社員旅行とみなされません。
ただし、研修や視察といった名目の場合は、研修旅行となるため、旅費交通費や、研修費などで計上することもできます。

取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行

取引先に対する接待旅行の場合は、基本的に接待交際費となります。

実質的に私的旅行と認められる旅行

従業員ではない方と行っていたり、明らかに個人的な旅行であるとされる場合は従業員レクリエーション旅行とはみなされません。

研修旅行は費用に出来る?

研修旅行の場合、その旅行が会社の業務を行うために直接必要な場合には、その費用は給与課税されません。ただし直接必要でないものに関しては、給与課税されます。

たとえば、下記のようなものは原則として、会社の業務を行うために直接必要なものになりません。

・同業者団体の主催する、主に観光旅行を目的とした団体旅行

・旅行のあっせん業者などが主催する団体旅行

・観光渡航の許可をもらい海外で行う研修旅行

従業員の家族が参加したい場合はどうなる?

従業員の家族を旅行に参加させたいという場合もあるかと思います。
ただし従業員の家族の分は勤務実態のない方に対しての支給となるので、経費とすることが出来ません。もし経費としていた場合は、給与課税されてしまう可能性があります。

まとめ

今回は社員旅行の経費関係についてまとめてきました。会社としてはせっかく費用を出すならば経費にもでき、モチベーションもアップしてもらいたいですよね。
社員旅行などで税務的に判断に迷う部分がありましたら、税理士に確認してみましょう。

浜松市中区中沢町にある税理士法人小林・丸&パートナーズです。

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