税理士法人小林・丸&パートナーズのスタッフ河西です。
法人や個人事業主をしていると、さまざまな要因で一時的に赤字となることもあると思います。
赤字になったときにさらに税金まで多くとられてしまったら元も子もないですよね。
今回は税金を減らすことが出来るか、また赤字決算になるとどうなるのか紹介いたします。
目次
赤字決算とは
法人の決算は売上などの収益と仕入や経費などの費用の差額が今期の利益となります。
なんらかの理由により、収益より費用の方が多くなってしまったため、損失となってしまったということです。
赤字になったら税金はどうなる?
法人住民税の均等割という事業をしている方であれば必ず払わないといけないもの以外は基本的に税金を支払わなくて済むようになります。ただこちらは消費税には関係ないものになりますので、赤字の場合でも消費税は支払わないといけない場合があります。
赤字にメリットはないの?
欠損金の繰越控除
赤字になった場合で、その企業が青色申告をしている場合は、欠損金の繰越控除をすることが可能です。
欠損金の繰越控除は最大で10年間繰越をすることができ、翌年以降黒字になった場合でも、繰越した赤字は課税所得から控除することが可能です。
たとえば単年度で1000万円の赤字を出してしまった場合、次年度に100万円の黒字となった場合でも、繰越控除から引くことが出来るので、法人税は均等割のみでいいということになります。
欠損金の繰戻し還付
単年度で赤字になったときに、もし前年が黒字だった場合はその赤字分を繰り戻して還付を受けることが出来ます。こちらは中小企業で青色申告法人の場合のみとなりますが、
前年に支払った税金を還付するという方法はこの時しかできないため、有効な方法となります。
税務調査が来にくくなることも
毎年大きく赤字を出していて、ずっと欠損金を抱えている場合は、そもそも税務調査にほとんど入られない可能性が高いです。
これはもし調査に入ったとしてもほとんど税金を取ることが出来ないから。
ただし本当は黒字なのに赤字に見せかけている場合は調査に来てひっくり返されることも。
赤字のデメリットは?
融資を受けづらくなる
赤字決算のデメリットとしては、銀行などからの融資が受けられなくなる可能性があるということです。融資を受けられないというわけではありませんが、返済の計画や赤字の改善方法などを聞かれる可能性もあります。
まとめ
赤字決算を出すことで税金は節税をすることが出来ますが、長期的に赤字になっていいことはほとんどありません。また過度な節税対策は資産の減少を招く結果にもなりがちです。
節税対策はほどほどにし、税理士や会計事務所に任せ、本業に集中しましょう。