税理士法人小林・丸&パートナーズの河西でございます。
確定申告は毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得について、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行い、所得税を納付しなければいけません。
しかしいろいろな事情により、申告を忘れてしまったり、期限から遅れてしまったりすることがあるかと思います。
この記事では申告、納付が遅れてしまったらどうなるのかを説明します。
申告期限を過ぎたら期限後申告をしよう
申告期限を過ぎてしまった場合は、出来るだけ早く申告をするようにしましょう。
期限後申告をした場合は、申告で納める予定の税金のほかに無申告加算税や延滞税などのペナルティが課されるようになります。
無申告加算税
無申告加算税は、申告を期限内にしなかったことにより、もともと納付する予定だった税金にたいして、50万円までなら15パーセント、50万円を超える部分に関しては20パーセントの割合を乗じて計算をした金額となります。
もし期限内に申告をしなかった場合でも、期限後でも申告をしたなどの税務調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、5パーセントの割合に軽減されます。
たとえばもともと納付する予定だった税金が750,000円で税務調査が来た場合は
500,000×15% = 75,000円
250,000×20% = 50,000円
合計125,000円が無申告加算税となります。
ただし、平成28年以後について調査の事前通知のあとに自主的に申告した場合50万円までなら10パーセント、50万円を超える部分は15パーセントの割合を乗じた金額となります。
ただし期限後申告であっても、次の要件を満たす場合は無申告加算税は課されません。
1 その期限後申告が、法定申告期限から1か月以内に自主的に行われていること。
2 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
なお、一定の場合とは、次の(1)および(2)のいずれにも該当する場合をいいます。
(1)その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2)その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。
No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁 (nta.go.jp)
延滞税
延滞税は、納付期限までに税金を支払わなかった場合に課税されるものです。
また、期限後に修正申告などをした場合などに納める税額が不足していた場合も延滞税が課税されます。
延滞税の計算方法
納期限から2か月を経過する日までは、原則として年「7.3パーセント」
もしくは、延滞税特例基準割合という短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として財務大臣が告示する割合に年1パーセントの割合を加算した割合の低い方となります。
令和4年と3年は下記の通りとなっております。
令和4年 年2.4パーセント
令和3年 年2.5パーセント
納期限の翌日から2か月を経過した日以後は原則として年「14.6パーセント」
もしくは、延滞税特例基準割合+7.3パーセントのいずれか低い割合になります。
令和4年と3年は下記の通りとなっております。
令和4年 年8.7パーセント
令和3年 年8.8パーセント
上記の手段で計算いただいても大丈夫ですが、延滞税に関しては、国税庁のホームページに計算できるところがありますので、そちらで計算された方が楽です。
青色申告特別控除の控除額の最大
期限後申告の場合は青色申告特別控除の最大65万円の特別控除を使用することは出来ません。
ただし、10万円の特別控除は期限内の申告をしないといけないという要件はないため、使用することは可能です。
還付申告の場合
上記までは、納税の場合についてみてきましたが、還付の場合はどうなるのでしょうか。
還付申告の期限
還付申告の期限は還付申告をする年の分の翌年1月1日から5年間行うことが可能です。
そのため還付申告の場合は、3月15日までに急いで出さなくても問題ありません。
ただし上記のように青色申告特別控除の65万円を使用することはできないため、65万円の控除を使用して還付になる!という場合は注意が必要となります。
まとめ
今回は期限後申告と還付申告についてみてきました。
期限を過ぎてしまったからといってほっておくのではなく、なるべく早めに提出をするようにしましょう。